ホエイプロテインで筋運動のパフォーマンスとリカバリーを高める

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筋トレには味が良く効果抜群のプロテインが必須。

世界90か国5万人以上のヘルスフィットネス・スペシャリストを会員に持つアメリカスポーツ医学会(略称ACSM)。

世界中の多くの国でACSMの運動処方がヘルスフィットネスのガイドラインとして用いられています。

このACSMが、カナダ栄養士会、栄養と食事のアカデミー(旧アメリカ栄養士会)とともにアスリート向けの栄養摂取ガイドラインをまとめました。

「栄養とアスレティックパフォーマンス」と名付けられたガイドライン冒頭の声明文で、「スポーツ活動のパフォーマンスとそのリカバリーは、良き栄養戦略を選択することによって高められる」としています。

だれも教えてくれなかった筋肉増強サプリHMBの効果

この代謝物は3-ヒドロキシイソ吉草酸、または3-Hydroxy 3-MethylButyrateと呼ばれる化合物で、一般的にはHMBの名で知られています。

HMBは筋肉増強サプリとして海外で人気ですが、最近は日本でも通販などで見かけるようになりました。

筋トレには味が良く効果抜群のホエイプロテインで筋運動トレーニングの成果でお腹の筋肉が割れ始めている女性。

多くのたんぱく質の摂取が必要

しかし、いうまでもなく、筋トレをはじめとするトレーニングの効果を最大限に発揮するには、ロイシンやHMBだけを摂取してもだめで、必須アミノ酸をバランスよく含む良質のたんぱく質摂取が必要です。

特にアスリートは、一般向けの推奨量を大きく超える量のたんぱく質の摂取が必要であると最近の研究で明らかにされています。

トレーニング後のプロテイン摂取は必須になる

実験によれば、トレーニング直後から2時間までの間に、10g程度の必須アミノ酸を摂取すると筋肉の合成が促進されることが確認されています。

最近まで、たんぱく質摂取のガイドラインは「1日の総摂取量」で示されるのが当たり前でしたが、今後は摂取タイミングに応じた推奨量の設定が必要とされており、アスリート向けでは{0.3g/kg×体重}の量を、運動直後と、その後3時間ないし5時間おきに食事から摂取することを勧めています。

この計算によれば、体重60kgなら1回あたりのたんぱく質摂取量は18gとなり、肉や魚なら80~100g程度を食べる必要があります。

運動直後に食事をするのはなかなか難しいですから、トレーニングのあとのプロテイン摂取は理にかなっているといえるでしょう。

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プロテインはあくまでも補助的なもの

ただし、プロテインなどのサプリメントはあくまでも補助的なものでしかありません。ベストなコンディションを維持するためには、たんぱく質だけでなく、必要な栄養素をバランスよく食事から摂ることが大切です。

市販されているプロテインにはいろいろな種類があります。牛乳由来の製品がもっともポピュラーで、ホエイプロテインとカゼインプロテインに大別されます。

ダイエット向けに人気の高い、大豆を原料としたソイプロテインもあります。

ほかにも卵や肉からつくられたプロテインや、植物、穀類などから作られたプロテインもあり、変わったところでは、絹からつくられた美肌目的のシルクプロテインがあります。

筋トレによる筋肥大にはホエイプロテインが最適

一般的に、筋トレによる筋肥大にはホエイプロテインがよいとされていますが、その理由として、ホエイプロテインはロイシンの含有量が高いこと、摂取時の吸収率に優れている点が挙げられます。

ホエイとは、牛乳から乳脂肪分やカゼインを除去した乳清という液体のことを指します。

ホエイはチーズをつくるときに上澄み液として大量に生成されますが、かつては使いみちがなく、すべて廃棄されていました。

海外では捨てられたホエイが環境汚染を引き起こし、公害問題になったこともありますが、現在はプロテインの原料として再利用されています。

BCAA必須アミノ酸

プロテイン、つまり「たんぱく質」は20種類のアミノ酸からできていますが、特にアスリートによく利用されるアミノ酸にBCAAがあります。

BCAAは必須アミノ酸に含まれるバリン、ロイシン、イソロイシンの組み合わせで、日本語では分岐鎖アミノ酸と呼ばれ、人間の筋肉を形成するたんぱく質の約35%を占めています。

先述のとおり、たんぱく質は全身に必要な成分なので、不足すると骨格筋は分解されてアミノ酸となり、血液中に遊離されて必要とする部位に運ばれます。

BCAAは骨格筋たんぱく質に占める割合が大きいため分解される量も多く、そのぶん食事から摂取しなければならない量も多くなります。

アスリートがBCAAのサプリメントを利用する目的

トレーニングによって筋たんぱくが分解され、BCAAが血液中に放出されてしまうのを防ぐためです。

トレーニングの直前や競技の合間にBCAAを摂ることで、筋肉の分解を防ぎパフォーマンスを維持することができるのです。

運動は骨格筋の収縮と弛緩の反復によって行われますが、筋肉が勝手に動いているわけではなく、脳の運動野からのシグナルが筋肉に伝わって筋肉が収縮しています。

運動は脳によってコントロールされており、運動を続けると、筋肉が疲労するのと同様、脳も疲労してきます。

脳から筋肉までの間に起こる疲労を中枢性疲労といいますが、中枢性疲労のひとつの原因として、脳に疲労を感じさせる脳内物質セロトニンの増加があります。

セロトニンはアミノ酸のトリプトファンから生成されますが、脳にトリプトファンを運ぶ輸送体はBCAAと共用されています。

BCAAを摂取する意味とは?

この輸送体は、普段はトリプトファンとBCAAをバランスよく脳内に運んでいますが、血液中のBCAAが少なくなると、そのぶんトリプトファンを多く運び込むようになります。

脳内に疲労のもととなるトリプトファンが過剰に運び込まれないよう、BCAAを摂取することが中枢性疲労を軽減し、パフォーマンスの維持につながるのです。

ホエイプロテインは、たんぱく質中の約30%をBCAAが占めており、かつ吸収性が高いため、大豆やカゼインなど他のたんぱく源よりも摂取後の血中アミノ酸濃度が高く、筋疲労予防や骨格筋合成に優れています。

ホエイプロテインには製造方法の異なる3種類の製品があります

  1. ホエイ(乳清)を濃縮して製造するWPC(Whey Protein Concentrate,ホエイ・プロテイン・コンセントレートの略)製法
  2. WPCでつくられたプロテインをさらにイオン交換し濃度を高めるWPI(Whey Protein Isolate,ホエイ・プロテイン・アイソレートの略)製法
  3. WPCでつくられたたんぱく質を加水分解して、より分子量の小さなペプチドに分離するWPH(Whey Protein Hydrolysate,ホエイ・プロテイン・ハイドロリセイトの略)製法

ホエイにはたんぱく質のほかにビタミンやミネラル、ラクトフェリンなどが含まれています。ラクトフェリンは人の体内にもある抗菌物質で、細菌やウィルスの増殖を抑制し免疫力を向上させるといわれています。

WPCはこうしたたんぱく質以外の有用な成分も含んでいます。

その反面、牛乳に含まれる乳糖(ラクトース)も多く含まれており、乳糖を分解できない乳糖不耐症のひとがWPCを摂るとおなかがゴロゴロしたり、下痢をしたりする場合があります。WPCのたんぱく質の含有率はおよそ80%程度です。

たんぱく質の含有率約90%とWPCよりも高濃度なホエイプロテイン

WPIはイオン交換によって分離されたホエイで、たんぱく質以外の成分を除去しています。ラクトフェリンも除去されてしまいますが、乳糖の含有量は非常に低いため、乳糖不耐症の人にお勧めのホエイプロテインです。たんぱく質の含有率は約90%とWPCよりも高濃度です。

WPHはWPCをペプチドに分解したものです。ペプチドとはアミノ酸が十数個つながった状態で、たんぱく質よりも分子量が少ないため、水に溶けやすく吸収率も他のホエイプロテインより高めです。

たんぱく質の含有率は95%と、三種類の中でもっとも高濃度です。

1990年以前、ホエイプロテインは製造に手間がかかり高価でした

そのため、カゼインや大豆を原料としたプロテインが一般的でしたが、カゼインプロテインや大豆プロテインは水に溶けにくく粉っぽさが残るため、プロテインを敬遠するひとが少なくありませんでした。

栄養の働きは3つに分類されます

私たちがふだん何気なく使っている「栄養」という言葉は、実は非常に広範な意味を含んでいます。

生物がからだの外から物質を取り込んで、生命機能を維持向上させたり、肉体に変換するなど、実は「栄養」とは健康に生きるためのさまざまな活動全般を指しているのです。

ただし、狭義の「栄養」は日常的に「栄養素」または「栄養素を含む食品」を意味することが一般的であり、栄養学では、主に食品や食事から摂取される栄養素を研究しています。

そして、栄養学における栄養の働きは、エネルギーのもととなる栄養素、肉体を構成する材料となる栄養素、身体機能を整える栄養素、の三つに分類されています。

からだの調子を整える五大栄養素とは?

このうち、エネルギーになる栄養素は炭水化物(糖質)、たんぱく質、脂質ですが、たんぱく質と脂質はからだをつくる栄養素でもあります。

この三種類の栄養素に、からだの調子を整えるビタミンとミネラルを加え、五大栄養素と呼びます。さらに最近では水や食物繊維を加えて六大栄養素と呼ぶこともあります。

筋力の向上には筋トレは欠かせない

私たち一般人もそうですが、アスリートやスポーツを日常的に楽しむ人たちにとって、栄養素の摂取量や種類、摂取タイミングは非常に重要です。

中でも、運動の基本となる筋力の向上は至上命題であり、アスリートやスポーツマンに「筋トレ」は欠かせません。そして、筋トレに不可欠なのが、筋肥大の主役であるたんぱく質の補給です。

筋運動の要である筋肉をかたちづくる栄養素

「たんぱく質」は、取り方次第で運動パフォーマンスを大きく左右します。このため、多くのアスリート・スポーツマンはプロテインサプリメントを活用しています。

プロテインとは英語で「たんぱく質」のことですが、日本でプロテインといえば、だれもがプロテイン・サプリメントを思い浮かべるくらい、一般にもその名は浸透しています。

たんぱく質は20種類のアミノ酸がたくさん集まってできている高分子化合物で、人間はそのうちの11種類を体内で合成することができますが、残りの9種類は食事から摂取しなければならない必須アミノ酸です。

必須アミノ酸9種類はひとつでも欠けるとたんぱく質を構成できません。

アミノ酸の必要量が決まっている

9種類のバランスが悪いと、いちばん少ないアミノ酸の量でしかたんぱく質を合成できないのです。

たとえば、以下の表のうちイソロイシンが200㎎しか含まれていなければ、200÷250=80となるため、ほかのアミノ酸が十分に存在していても、たんぱく質合成に使える全アミノ酸は、総量の80%が上限となります。

アミノ酸
(mg/窒素1g)
イソロイシン ロイシン リジン 含硫アミノ酸 芳香族アミノ酸 スレオニン トリプトファン バリン
比較蛋白質
(FAO)
270 306 270 270 360 180 90 270
アミノ酸パタン
(1973年FAO/WHO一般用)
250 440 340 220 380 250 60 310
アミノ酸パタン
(1985年FAO/WHO・UNU2~5才)
180 410 360 160 390 210 70 220

アミノ酸スコア
1973年、FAO/WHO合同特別専門委員会は、プロテインスコアを算定するための比較蛋白質のアミノ酸配合量を改訂して、アミノ酸パタンを発表しました。アミノ酸パタンは、必須アミノ酸の理想的な量で、アミノ酸パタンを基準にして、最も少ない比率しか含まれないアミノ酸(最も比率が少ないアミノ酸)を、制限アミノ酸と呼びます。制限アミノ酸の比率(制限アミノ酸が含まれる量÷制限アミノ酸のアミノ酸パタン量)を、アミノ酸スコア(アミノ酸価)と呼ばれます。
例えば、ある食品が、必須アミノ酸のイソロイシンを、200mgしか含んでいなければ、比率は、200÷250は、80です。食品の各アミノ酸に関して、比率(アミノ酸が含まれる量÷そのアミノ酸のアミノ酸パタン量)を計算し、イソロイシンの比率が、最も低いとすれば、イソロイシンが、制限アミノ酸で、その食品のアミノ酸スコアは、80となります。
1985年には、FAO/WHO/UNUの合同で、年齢区分別のアミノ酸パタンが発表されています。
参考:脂質と血栓の化学

 

桶の理論。「桶の理論」とは、卵、肉、大豆などは、アミノ酸スコアが100になります。それぞれのアミノ酸が100を超えているので、桶の水はこぼれることなく、無駄なく利用される、反面、米はアミノ酸スコアが65なので、米のアミノ酸リジンはアミノ酸スコアが65なので、桶にいくらたくさん水を入れても65のレベルでしか利用されない。

参考:日経Goody

この最も少ないアミノ酸の割合を「アミノ酸スコアと」いい、卵や肉、魚は100です。

かつて大豆のアミノ酸スコアは86とされていましたが、この当時はラットを使ってアミノ酸の基準値を決めていたため、大豆のアミノ酸バランスは低めに評価されていました。

その後、ヒトをモデルに基準値を見直し、現在大豆のアミノ酸スコアは100となっています。

ちなみに、ラットには多くの体毛があるために、メチオニンというアミノ酸の要求量が人間よりはるかに多く、メチオニンの含有量が少ない大豆は低評価だったわけです。

でも、米飯にはメチオニンが多く含まれているので、ごはんと一緒に大豆食品を食べる日本食なら、アミノ酸スコアは100になるといわれていました。

日本人の食事摂取基準の概要

ところで、厚生労働省が策定する「日本人の食事摂取基準」では、成人男性のたんぱく質推奨摂取量を1日あたり60gとしています(女性は50g)。

一般的に、たんぱく質の要求量は体重1kgあたり1gとされており、アスリートや筋トレをする人は、この量の1.2倍から2倍程度が必要、といわれてきました。

筋肉を支えには骨の密度と強度が重要

たんぱく質は筋肉の基となるだけでなく、腱や骨などの基質でもあります。特に、筋肉を支え最高のパフォーマンスを発揮するには骨の密度や強度が重要です。

骨と聞くとカルシウム、と思いがちですが、実は骨の基礎はコラーゲン繊維でできているので、たんぱく質の摂取が欠かせないのです。

骨にはコラーゲンによる柔軟性も求められる

走るとき、足の骨には体重の約3倍の加重と衝撃が加わります。

ジャンプや下り坂では体重の10倍、走り幅跳びや走り高跳びでは1トン近い負荷がかかるといわれています。ですから、骨には硬さや強さだけでなく、コラーゲンによるしなやかな柔軟性も求められるのです。

骨はコラーゲン線維となカルシウムの容積比は、1:1の割合でできています。

参考:セルフドクターネット

不必要な筋肉組織になるトレーニング不足

たんぱく質をはじめとする十分な栄養素が供給され、適正なトレーニングが行われれば筋肉は肥大し、筋トレの効果が現れます。しかし、トレーニングをやめてしまうと、あっという間に筋肉量は減少してしまいます。

トレーニングによる負荷で肥大した筋肉は、トレーニングをやめて負荷がかからなくなると「不必要な筋肉組織」と判定されて、分解されてしまうからです。

たんぱく質は筋肉だけでなく、血管や赤血球、細胞外組織、遺伝子、酵素など体中のいたるところで利用されており、たんぱく質の欠乏は生体機能の維持に深刻なダメージを与えます。

そのため、たんぱく質は常に代謝しており、不要な筋肉は分解(異化)されて再利用されるのです。

たんぱく質の異化経路として代表的な「ユビキチン・プロテアソーム系」と呼ばれる経路があります。

この異化経路ではユビキチンが分解の対象となるたんぱく質と結合して目印となり、たんぱく質を分解する酵素であるプロテアソームが、ユビキチンの結合したたんぱく質を取り込んで分解します。

肉や魚など、食事由来のたんぱく質に含まれる必須アミノ酸のロイシンは、ユビキチン・プロテアソーム系を阻害する働きが知られています。

もう少し詳しくいうとユビキチンがたんぱく質にくっつくのを邪魔して、プロテアソームに取り込まれるのを防いでいるのです。

たんぱく質の合成を促進する最強のロイシン

一方、たんぱく質の合成を促進するように働くシグナル伝達物質mTORはロイシンによって活性化されることが知られています。

mTORは細胞増殖因子やインスリンなどのホルモン、グルコース(アミノ酸)によっても活性化されますが、ロイシンがもっとも強い活性化作用を持っています。

詳しいメカニズムは不明ですが、ユビキチンはmTORの活性化を抑制する因子としても作用するので、ロイシンがユビキチン・プロテアソーム系を阻害することでmTORが活性化されるのではないかと考えられています。

研究から得られたモデル図 1.ロイシンはUBR1及びUBR2に結合して、その機能を阻害している。ロイシンはUBRの基質認識ドメインに結合する。 2.UBR1及びUBR2は、mTOR活性を抑止する因子である。 ロイシンは、UBR1及びUBR2に結合してその活性を阻害することによって、mTORを活性化していると考えられる。

参考:UBR=ユビキチンリガーゼ

近年、ユビキチンをブロックしてmTORを活性化させるのはロイシンの中間代謝物であることが判明しました。

まとめ

製造法が確立された現在では、水に溶けやすく粉っぽくない、おいしいホエイプロテインが主流となっています。

カゼインに比べて、ホエイプロテインの血中濃度ピーク時間は短く、そのぶんこまめに摂らなければなりませんが、かつてとは比べものにならないくらい、価格も安くなっています。

おいしくて効果も抜群のホエイプロテイン。筋トレのお供にはホエイプロテインが最適といえるでしょう。

 

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