最近増えてるコスパで選ぶ新たな今どき結婚スタイルの事例

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結婚スタイル。

何ごともコスパで考えやすい現 20 代にさらに向くであろう「コスパ婚」の数々にふれたい。

常識的な結婚以上に割り切ったスタイルで、結婚生活の手間や費用、またはストレス等の面を鑑みると、「コスパでお得」と感じやすい。

一部には、法改正が必要と思われるものもある。ただ先進的な男女は、半ば「勇み足」でコスパ婚へと向かい始めた。その驚きの動向も含めて紹介したい。

具体的には、「通い婚」「ジモ(ト)婚」「里山婚」「同棲婚」、そして「産むだけ婚」などだ。

通い婚

20~30代の夫婦は、結婚しても一蓮托生とはほど遠く、良くも悪くも「ただの友達」のような夫婦。いうなれば「友達夫婦」である。

驚くことに、リビングルームや冷蔵庫の内部を「ここから向こうは『夫領域』」、「この部分は『妻ワールド』」などと線引きする夫婦が目立ったこと。彼らは口々にこう言う。

「相手の領域には、基本手を付けないのがルール」、「食事の好みも違うから、平日はもっぱら『セルフ(夫婦それぞれが用意)』」、「ドレッシングとか、『私(妻)領域』にあるモノを、夫に触ってほしくない」

まるで「AKB48」のような、アイドルユニットさながら。すなわち、週末などハレの場では、夫婦や家族が一丸となり、皆でキャンプやバーベキューに出掛ける。でもふだんは、それぞれがソロ活動、思い思いの趣味に興じる。

ユニット状態を象徴するように、なかには「じゃ解散!」のひと言で離婚した夫婦もいる。

一般に、「通い婚」「週末婚」と聞くと、平安時代や以前のヒットドラマ(永作博美主演『週末婚』(TBS系))を想起して、「恋愛気分」をイメージするかもしれない。 だがイマドキのそれは、もっとずっとクール。まさに、ただ友達に近い感覚だ。

週末婚

たとえば、結婚して2年になるのに、妻とは別々の家に住んでいる。夫婦仲が悪いわけではない。単身赴任でもない。電車で30分程度の距離なのに、あえて一緒に住んでいなかったのだ。

妻が住むのは実家。彼が住むのは、結婚前に購入、ひとり暮らししていたマンションだ。3LDKで60平米以上あるが、妻を呼び込むスペースはない。趣味で集めるアメリカンテイストの雑貨やフィギュア、ガンプラ(機動戦士ガンダムのプラモデル)などがズラリと飾られ、クローゼットも古着やコレクションでぎっしり。まさに立錐の余地もない。

ひと昔前なら、夫は渋々、趣味のグッズを処分したはず。でも「捨てたら、人生を全否定されるのと同じ」と嫌がる。妻も「実家のほうがラク」と別居を選ぶ。

そこからは、妻が週末だけ夫の家に通う「週末婚」がスタート。やがて双方忙しくなると、さらに通う頻度が低い「月末婚」「別居ときどき通い婚」へと移行するのだ。

以来、妻が身ごもるまで、ずっと通い婚状態。食費は別々にかかるが、夫が住むのは自分の持ち家で、妻は実家。結婚後の引越し費用や、改めて家具等を買い揃えることを考えると、むしろ別居のままのほうが「コスパでお得」と思ったという。

別居婚

一方、「ひとりの快適さを知っちゃった」と笑うのは、S子( 29 歳)。 いまどき珍しい、上司の薦めによる見合い結婚。2年前に籍を入れ「これから愛を育もうか」というとき、グループ会社に勤める夫の福岡転勤が決まった。

S子は、理系の大学院卒。いまの会社で自分の専門が活かせるのは、関東の研究所だけだ。夫に付いていくことは、即退職を意味する。迷いもなく別居を決めた。1年後、福岡の大口クライアント(外資)が日本から撤退、夫はわずか1年で東京に戻ってきた。

だがその間に、実家にほど近いワンルームマンションへと住み替えてしまった彼女。毎日帰りが遅く、母親が「ご飯でも作りに行こうか」と心配したからだ。

新居はわずか30平米。2人で住める広さではない。それに夫も、上司から「また別の土地に転勤になるかも」と言われ、三たび借り替えるのは「無駄になる」と感じた。

結局、夫だけが別のワンルームマンションを借り、通い婚状態に入った。「でも正直言って、それだけが理由じゃないんです」ずっと親元を出たことがなかった。でも結婚後、夫の転勤を機に初のひとり暮らしを始めると、すべて自分のペースでことが運ぶ。

下着を脱ぎ散らかしたまま寝ても、誰にも嫌がられない。あまりの開放感に、「野に放たれた小鳥のよう」だと話す。もっとも、会社に別居婚の事実は伝えていない。いまの制度では、配偶者手当が出なくなるから。

「なんか騙してるようで、後ろめたいんですけど」とS子は言うが、夜遅くまで研究に没頭できるいまの生活は当分変えたくない。何より、研究でラットを解剖したその夜、魚や肉に包丁を入れて調理するのはしんどい。

でもひとりなら母親に甘えて、ご飯を作りに来てもらうこともできるのだ。

彼女のように、週末婚や通い婚を肯定、あるいは実践する若者に話を聞くと、そのメリットとしてあがるのはたいてい次のような声だ。

1. 互いの転勤に左右されず、マイペースで仕事や生活(趣味)ができる
2. いつまでも新鮮な気持ちでいられる
3. 別々に住めば、実家とも行き来しやすい

このうち、男性に多いのは1、女性では1と3だ。双方が1をよくあげるのは、仕事を続けたい女性が増えるなか、「彼が本社に戻るまで」など結婚を先送りするカップルが多いことの裏返しでもある。

既述のとおり、今後「ずっと専業主婦でいられる女性は、1割いるかどうか」だから、2人が意図せずとも別居婚となるケースはますます増える だろう。 他方、3をあげる女性の背景には「超親ラブ」ぶりも見え隠れする。 そもそも現20~30代夫婦では、結婚後、妻か夫の実家からわずか30分未満の距離に住む「近居(近接居住)」が、なんと65%(2014年/国立社会保障・人口問題研究所)。

東京や名古屋では、夫より妻の実家の近くに住むケースのほうが多い。 出産後はもちろん、結婚早々でも、週末には妻の実家で「実母の手料理」に甘える夫婦が決して少なくないのだ。そのほうがラクだし、大家族の絆も実感できるから。

週末婚や通い婚で、実家の近く、あるいは実家に戻る女性は、やはり家事が軽減されて「ラク」だという。

先のS子は、「どうせ子どもができれば、いま以上に実家と行き来するんだし」とある種開き直り、とも思える言葉を口にした。

彼らを否定するのはたやすい。でも現実に、ただ友達夫婦や通い婚、別居婚を実践する男女が、続々と登場しているご時勢だ。初めから全員が「夫婦は一蓮托生」「親の力は一切借りない」となればいいが、経済面や忙しさから、それが困難な男女もいる。

ならば、「趣味の時間を失いたくない」「実家から離れたくない」からと、一生結婚せずに終わるより、まずは結婚して親元を出てみるのもいい。その際、最初から2人一緒に住むのが難しければ、通い婚というスタイルを選択するのも、アリだと思う。

「通い婚はアリ。自分でも実践してみたい」との回答は、男女(独身)とも2割に留まった。ただ、「自分は実践しないが、アリだと思う」も含めた容認派の割合は、男女とも6割超と決して少なくない。

一方、「すでに実践している」とした有配偶男女はまだ少数派だが、それでも6%と50人中3人の割合で存在した。

別の調査では、違う傾向も分かる。たとえば、インテージの調査(2011 年)。「アリ」は 20 代男性の27%だが、同女性では41%と1割以上多い。

さらに、少し古いオーネットの調査(2009年)で「別居婚」容認の20代を見ても、男性 23%に対し、女性39%。やはり女性のほうが「つかず離れず」の距離感に前向きなようだ。

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