恋愛を長続きさせるためには一定の距離を保つ「快適な関係診断」

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恋愛を長続きさせる。

心理学の分野には「ヤマアラシのジレンマ」 という言葉があります。これは、次のような寓話がもとになっています。

二匹のヤマアラシがいました。寒さに耐えかねて身体を寄せ合おうとすれば、互いに相手の身体に針が刺さってしまいますし、かといって離れれば寒さが身にしみます。ではどうしたらいいのかと工夫して、近づいたり離れたりを繰り返すうちに、最後には 互いに痛くもなく温め合える、快適な距離を見つけられる、というものです。

この理論は、恋愛における男女の距離にも応用できます。互いに一定の距離を保つことで、快適な関係を維持できるのです。

もちろん、この場合は、物理的な距離ではなく心理的距離のことです。一般的に現代人は、他人との距離の取り方が下手だといわれていますので、恋愛以外にも応用できるでしょう。

「快適な距離」が愛を育む

毎日顔を合わせているうえに、いつも腕を組んで歩いているカップルがいます。周りから見ると、熱愛中のカップルにしか見えません。けれども、実際は、女性があまりにも依存的で男性は負担に感じている、といったケースも多いのです。

かといって、まったく会わないのも不安なのです。会っていても、離れていても、快適な関係ではない。こんな恋愛では、なかなか幸せは感じられません。

適度な距離を置きつつ、近くにいる。難しいけれども、依存しすぎず、離れすぎずというのが、ちょうどよい距離なのでしょう。

電話やメールの回数についても同じことがいえます。恋愛の進展にメールや電話はもはや欠かすことのできないものでしょうが、だからといって、一日中電話やメールばかりしていることが、必ずしも親しさのバロメーターになるわけではないのです。

明らかに相手が忙しいとき、仕事中、真夜中などの電話は相手の負担になりますし、メールにすぐ返事をしないと責められるような風潮も、恋を縛りつけるプレッシャーになりかねません。

コミュニケーションの回数が多いことは、必ずしも二人の距離が望ましい状態にあることを表してはいないのです。

アメリカの精神分析医のベラックは、現代人のコミュニケーションの特徴として、「大勢の人と短時間に接触する」ことを挙げています。

これは「広く浅い」コミュニケーションで、人と人との関係が希薄になっている状態です。現代人の人間関係は、表面的なつきあいになっている、といってもいいでしょう。

恋愛においても、「時間は短くても毎日会っている」という状態は、必ずしも二人の強い親密度を意味しているわけではありません。

周りが「あの二人、本当に仲がいいわね」と思っていても、意外に表面的な関係であることも多いのです。

ボーイフレンドと毎日のように会い、いっしょに行動し、周りが恥ずかしくなるほどベタベタしているカップルもいます。

それが愛情のバロメーターであり、二人の気持ちの確認作業のように思っているかもしれませんが、それは錯覚です。

大学のキャンパスなどでも、いつも行動を共にしているカップルはいます。一見、うらやましいぐらいに仲がいい。しかし、「あの二人は卒業したら結婚するだろう」と誰もが思っていたのに、卒業と同時にすっきりと別れてしまうカップルも多いのです。

恋が始まるまでは、単純接触の多い相手に好意を抱く法則が効果を発揮しますが、ある程度親しくなってからは、会う回数と愛情の深まりは、関係ありません。

いつまでたってもお互いの核心に届かない触れ合いしかしていなければ、このカップルのように関係が破綻するのも早いのです。

繰り返し短時間会うというスタイルのコミュニケーションは、けっして二人の愛情を深めることにはなりません。むしろ、一週間に一度でも月に一度でも、じっくりつきあうというスタイルが、二人の愛情を深めていくことになるようです。

相手の気持ちに踏み込みすぎれば負担を与えてしまう。かといって、踏み込まなくては深い愛情を獲得することができない。

二人で「お互いに近づきすぎず、離れすぎず」のジレンマを繰り返し、ついに到達できるいちばん快適な距離感を発見することが、恋愛を育て、深めるためには大切なのです。

二人の愛情は心理学的にチェックできる?

彼とは以前よりも頻繁に顔を合わせるけれども、最近デートがつまらない。このような気持ちになることはありませんか。

理由は簡単です。互いに愛情が深まっていかないからです。では、なぜ深まっていかないのでしょう?

前項のベラックの提唱を思い出してください。表面的な交際しかできない人は、非常に大勢の人と短時間ずつ繰り返して会うものです。逆に深い交際ができる人は、特定の人と長い時間、会うのです。

ところで、相手との距離感の問題、つまりヤマアラシ・ジレンマの心の状態は、次のような ヤマアラシ指数(Porcupine Index)を求めることで予測できます。

P・I(ヤマアラシ指数)=10秒間で思い浮かべることのできる友人の数×一週間に平均的に会う回数×会っているときの平均時間(分)

たとえば、5人の友人を思い浮かべ、平均週一回彼らと会い、その平均時間が120分だったとすれば、P・I=4(人)×1(回)×120(分)=600 ということになります。

この指数を半年前は?三カ月前は?と統計をとっていけば、今の友人たちとの心の距離感が比較できます。表面だけのつきあいになっているか、あるいは深い関係にあるか、親しさの度合いを測る目安となるのです。

この算式は、男女の恋愛指数にも応用できそうです。ちょっと、やってみましょう。

一週間に1回、5時間のデートをしていたとします。恋愛指数=1(人)×1(回)×300(分)=300 となります。

この指数が変わっていくことで二人の恋愛ジレンマ度はある程度、つかめるのです。  ところが、恋愛ジレンマ度が、以前と変わらぬ「300」だったとしても、恋愛指数=1(人)×5(回)× 60(分)=300 のケースもあります。

週に五回、一時間ずつデートしている状態です。つまり、「以前より頻繁に会うけれどもつまらない」のは、一回のデートの時間が減っているのです。

ベラックの研究を参考にすれば、二人の関係は「表面的な交際」に移行しているといってもいいでしょう。「よくデートするけれどもつまらない」のであれば、一回のデート時間を思い出してください。

以前は週一回のデートだったけれども5時間ぐらいだった。でも、いまは週三回のデートをするけれども1時間ずつ。このようなデートパターンになっていませんか?

相手のあなたへの関心が薄れていたり、二人とも、いわば惰性でつきあっているのではありませんか?これは、失恋の兆候といってもいいかもしれません

失恋というより、「消恋」というか、つまり恋愛関係が自然消滅しかかっているような状態です。

それでも頻繁に顔を合わせますから、親しいような錯覚に陥るのですが、なぜか深い愛情は湧きません

ベラックは、ヤマアラシ指数ばかりでなく、独自の愛情指数を求める公式を考えています。  愛情指数=(前戯時間(分)+後戯時間(分)) 性交時間(分)という公式です。

前戯が30分、後戯が20分、性交時間が10分とすれば、愛情指数=( 30(分)+ 20(分)) 10 =5  となります。

ちなみにベラックは、次のような式も考案しています。 (100+ 20) 5= 24  この「24」という指数は、性を心ゆくまで楽しんでいるカップルに見られる例なのだそうです。

ベラックが考えた二人の人間関係の特色を調べる公式を利用して、今の二人の交際の仕方をもう一度チェックしてみてください。

あなたが「うまくいっている」と思っていても、あんがい、それは見かけだけ、の場合があるかもしれません。

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