恋のチャンスは自分に自信がないときこそ訪れ新しい恋が生まれやすい

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket

失恋をして、死ぬの生きるのと大騒ぎした女性が、半年も経たないうちに別の男性との結婚披露宴の招待状を送ってくることがあります。

過去のことなどすっかり忘れた様子で、とても幸せそうです。

周囲は祝福しつつも、変わり身の早さに驚くばかり……。

自信がないときこそ恋のチャンス

さて、こんな実験がありました。被験者の女性に性格テストや能力テストをおこない、ある女性には次のように伝えます。

「テストの結果を見ますと、申しあげにくいけれども、あなたは普通の人に比べて能力的にいちじるしく低いようです。性格的にも、人に好かれる要素はなかなか見当たりません」  一方、別の女性には、「あなたは普通の人に比べると能力的に高く、性格的にも人に好かれる要素が多いという結果です」 と伝えます。

二人の女性はそれぞれの控え室で待機するよう指示を受けます。しばらくして、サクラの男性が控え室を訪ね、「ぼくもテストを受けるために来ている」などと話しかけ、コミュニケーションをもちます。

一定時間後、この男性は、「テストが終わったら食事に行こう」と、女性をデートに誘います。男性は、ごく平均的な魅力の持ち主です。

テスト結果を聞かされた女性の反応は?

結果は、テストが悪いと伝えられ、自己評価を下げている女性はデートに応じる率が高くなり、テストが良かったと伝えられ、自己評価を上げている女性は、デートを拒否する率が高くなりました。

自己評価を低められた女性は、自分が求める理想の男性像の水準をも下げていたといえます。仮にふだんは80点レベルの男性に狙いを定めているとすれば、テスト後は、50点レベルの男性にも関心をもっている。

一方、自己評価を高められている女性は、さしてハンサムでもない男性からのデートの誘いには鼻もひっかけません。

いわば、「お高くとまっている」心理状態です。ふだんよりもワンランク上の男性に目が向いているような状態です。

さて、失恋後、半年もしないうちに別の男性との結婚を決意する女性の心理的要因は、自己評価の低さにあります。

失恋直後は、自分には魅力がないという意識が支配的です。この時期に、新しい恋愛をしようなどとはとても思えないはずです。

自己評価が下がっているときこそ新しい恋が生まれやすい

理由は、自己評価が下がることにより、相対的に異性への評価が上がることです。自分に自信がないからこそ、相手が魅力的に見えてくる。つまり、男性からのプロポーズを受け入れやすい心理状態になっているのです。

この心理効果は、逆の立場になったときは、大いに利用・応用できます。仕事で失敗したり上司に怒鳴られた直後などは、相手には気の毒ですが、あなたにとっては恋愛のチャンスです。相手の自己評価が下がっているからです。

自己評価の下がった相手の心理は、親和欲求で占められています。 この時期に積極的に働きかければ、成功率は高いはずです。

友がみなわれよりえらく見える日よ花を買ひ来て妻としたしむ。この有名な短歌は、歌人・石川啄木が自己評価を下げているときの作品でしょう。 石川啄木ならずともこんなふうに親和欲求が高くなっているときは、誰かといっしょにいたいものなのなのです。

自分の好きなものが好きな人を好きになる

月並みな言い方ですが、現代は価値観の多様化した時代といえるでしょう。何に価値を置くかは、人それぞれです。類似性の法則は、この価値観にまで通じるものです。

ライフスタイルは、その人の価値観を端的に示すものです。休日を利用して絵画鑑賞する人と草野球をする人とは、価値観が類似しているとはいいがたいでしょう。

また、休日に家でゴロゴロとテレビを観ている人と登山を楽しむ人とは、人生の価値観がぜんぜん違います。

人と人とが安定した関係でつきあえる条件は、価値観の類似です。アメリカの研究では、安定した関係を維持している夫婦は、教育、宗教、経済、政治などの問題に対して、かなり類似した態度をとっているそうです。

また、趣味や自由時間の使い方、問題処理の方法などについても、基本的な考え方は同じだそうです。「似たもの同士」のほうがうまくつきあえる。

アメリカの社会心理学者ハイダーの理論によって説明できます

二人が、たとえば、「登山」という共通の価値観をもっていれば、そのライフスタイルの類似性によって、二人の関係はとても安定したものになります。

下の図で、P(女の気持)、X(男の気持)、の関係において、Oを共通の価値観の登山とします。PXの三角形の底辺は二人の関係を示しています。

アメリカの社会心理学者ハイダーの理論。

底辺がプラスの場合は、二人が安定した関係です。POは女性の登山に対する意識、XOは男性の登山に対する意識です。

この二辺を掛けた答えが、二人の関係として底辺に示されるのです。プラスなら安定した関係、マイナスなら不安定な関係です。

(a)の場合、Pは登山が好きだからプラスです。Xも登山が好きだからプラスです。これらの二辺を掛ければプラスになりますから、二人は安定した関係といえます。

(b)(c)の場合は、男女のどちらかが登山に価値観を置いていない。ですから一辺はマイナス記号で示されていますが、この二辺を掛けても、PXはマイナスです。二人は不安定なカップルと判断できます。

このようなカップルは、(a)、もしくは(d)のように、底辺がプラスになるようにしなければなりません。つまり、登山に対する価値観をマイナスからプラスに変える。そうすれば(a)の状態が生まれ、安定した状態になります。

もう一つの安定状態は(d)です。プラスの人が、登山に価値観をもたなくなれば、PXはプラスになります。

同じ理論で、たとえば、巨人ファンであれば、ファン同士は安定した関係を維持できます。熱烈な巨人ファンと熱烈な阪神ファンが恋人同士だったら、不安定な状態といっていいでしょう。

ゲームの結果で、一方は喜び、一方は悔しがる関係です。球場で観戦しても、三塁側と一塁側に分かれて応援しなければならないからデートにもなりません。

違う価値観をもっている者同士は気持ちを一つにするチャンスがない

ところで、性格の似た者同士がいいのか、それとも性格が反対同士のほうがいいのか、という議論は、よくおこなわれるものです。

基本的に似た者同士のカップルであれば、まったく問題はないはずですが、性格的には相補的な部分があれば、よりよいカップルになるといわれています。

男性が支配的ならば女性は従属的、あるいは、女性が相手の面倒をみるタイプならば、男性が世話を焼かれるのが好きといった、基本的性格の相補的な関係がよりよい安定をもたらすのです。

一般的には男性は支配的、女性は従属的ですから、このようなタイプのカップルは多いでしょう。

第三者からみれば、「そこまで従属しなくても……」などと、つい女性に同情してしまうようなケースもありますが、当の女性は、そういう関係であることに高い価値観を置いていますから、それが幸福なのでしょう。

支配と従属が相補的関係で成立し、両者が一緒にいることで一体感を味わうことができる。  つまり、お互いになくてはならない異性なのです。

性格の相補性以外については、二人の価値観に類似部分が多いほうが安定した関係のカップルになりやすいといえます。結婚しても、バランスのとれた、いい夫婦になる可能性は高いでしょう。

似たもの夫婦が長続きする

夫婦が銀婚式(結婚して25年目)を挙げる頃、新婚当初と比べて、どのような変貌を遂げるのか。

夫婦の行く末を想像すると、とても興味深いものです。

結論からいいますと、基本的な変貌パターンは、似た者同士は、似た者夫婦に成長し、銀婚式の頃には、ますます似た者夫婦になっています。

成長という言葉は適切ではないかもしれませんが、とにかく、お互いに似ることで夫婦の形ができあがるのです。

こんな実験があります。新婚の夫婦の顔写真を男女別に数十枚集めます。一方で、銀婚式を迎えるころの夫婦の顔写真を同じように数十枚集めます。

そうして、どの男女が夫婦であるかを当てさせるのです。トランプの神経衰弱の要領です。  この夫婦当てクイズをすると、新婚の夫婦より、銀婚式を迎えた夫婦のほうが、当たる確率が高くなります。

とくに、「幸せな結婚生活」を送っている夫婦ほど、この確率は高くなりました。

顔写真だけで判断しても、 銀婚式を迎えた夫婦はお互いに似ている のです。これに表情や雰囲気をも判断基準にすれば、当たる確率はますます高くなるはずです。

猿真似の心理効果や同調ダンスの心理効果は、意識的に相手に似せていく方法です。しかし、夫婦の場合は、お互いに無意識に似てくるもののようです。

夫婦になっても意識的だったら、長い夫婦生活は疲れてしまいます。夫婦の場合は、日常生活が基調になって、さらに似てくるのでしょう。

結婚は、二人が折り合いをつけながら生活することです。そうやって、二人の価値観の相違を調整して生活パターンができあがる。そうしてお互いに馴染んでいくことが、一般的な夫婦の進化の方法です。

夫婦には、長年培ってきた二人だけの共通認識が多くあるはずです。また、お互いに日々、折れ合ったり影響し合ったりしているのですから、ますます似てきます。

似ているほうが、お互いに、生活に便利という面もあるのでしょう。結婚してもなお、二人がそれぞれに自分の世界に閉じ込もっていたのでは、何のための夫婦生活かわからないですし、夫婦関係が破綻するケースも多いと思います。

お互いに似ることで夫婦関係は安定するのです。 夫婦が年を重ねるほどに似てくるのは、必然といってもいいのかもしれません。

自分のご両親を観察してください。きっと「似た者夫婦」のはずです。 似ていることは、夫婦がいい関係を維持する大きな要素です。

恋愛においても、相手との類似性は、愛情が深まる大きな要素です。仮に、二人のあいだに異質な価値観があった場合は、二人で折り合いをつけ、調整する努力も必要でしょう。

類似点が増えれば、さらに愛情は深まっていくはずです。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket

SNSでもご購読できます。