年上の男性と交際する女性が恋愛行動の幻想に縛られる理由

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年上の男性に合う女性の精神行動。

恋愛しない若者たちの背後には、恋愛市場における女性の早期(早熟)体験と男女格差の広がりがある。

日本性教育協会の調査の、1974年から2011年までの計7回に渡る経年結果を見ると、74 年の段階ではキスや性交の経験について、いずれも男子高生が女子高生を4%ほど上回っていた。

たとえば、「キス経験あり」が男性 26%、女性で 22%、「セックス(性交)経験あり」が男性 10%、女性6%だ。

日本性教育の調査結果。

参考:日本性教育協会

ところが 81 年のバブル予兆期、双方とも男女の経験率が逆転。とくに近年は、高校生段階の男女格差が顕著だ。

同調査で11年の数字を見ると、「キス経験」では、男子高生 37%に対し女子高生 44%、「セックス経験」では男子高生 15%に対し女子高生 24%と、9%前後も女子が上回っている。

18 歳までにセックスを初体験した男女(独身)は、男性 20%、女性 24%とやはり女性のほうが上だ。

そんななかで近年、同年代男性を「子どもっぽい」「頼りない」と見て、年上との「年の差恋愛」に憧れる 20 代女性も増えている。「同年代の男子なんて、奢ってくれない、話はつまんない、キスもうまくない。付き合っても三重苦なんですよ!」 あまりの物言いに目を丸くした。

ある調査でも「50 代男性との結婚はアリ」とする女性が、5人に1人と20 代女性の半数近く(45%)が「10 歳以上の年の差でもOK」と答えた。

さすがに 20、30 歳近い年の差を乗り越えて結婚となると、芸能界でも加藤茶や石田純一など一部の俳優・タレントに限られる。

それでも「10 歳以上」の年の差婚は 10年代に入って伸び始め、ある結婚相談所の調査では「結婚相手が 11~15 歳年上」の女性が5年の間に、13%から38%にまで増えた(09 年/アルパ)。

厚生労働省の調査でも05年以降ずっと、「夫が7歳以上」が初婚カップルの1割を超えている。昔から、大人への成長過程で、若い女性が年上男性に惹かれる傾向はあったろう。ただ、それだけでは説明がつかないほど、近年若い女性が目に見えて「年上男性」を求め始めている。

いったい理由は何なのか。 実はそこに、いまの 20 代男女が悩む「男女平等社会」と「男女不平等恋愛」のギャップやジレンマ が隠れているのだ。

日本だけじゃない、男性の草食化現象では女性は 10 歳前後で、脳が(大人の)合理的・効率的な働きを始めるが、男性は 20 歳頃になるまでその働きをしないらしい。

13年、イギリス・ニューキャッスル大学の博士、マーカス・カイザー氏は、男女の脳の発達に関する研究から、この衝撃的な結果を発表した。それまで、多くの学者が「3~6年程度」としてきた男女の精神年齢の差を「約10年の開きがある」としたのだ。

精神性だけではない。先のとおり日本では、キスやセックスといった恋愛行動も近年、女性の早期化や積極性がクローズアップされている。

かたや、若い男性は「恋愛行動を起こさない」「経験値が低い」「草食系だ」などと揶揄されている状況だ。

ところが、こうした「草食化」傾向は、どうやら日本だけのものではない。 08 年のリーマンショック以降、草食系や「結婚しない男」が増え、「いまやわが国(米国)でも、若い女性たちが『いい男が見当たらない』と嘆いている」といわれている。

ちなみにアメリカで29歳まで未婚の男性は、1979年にはわずか16%だったのに、2010年にはなんと55%まで急増していたのだ(11年2月25日掲載/『 Japan Real Time』)。

社会的閉塞感に影響される男性。選択肢が広く逃げ道もある女性。ではこれら一連の「男性の草食化現象」はなぜ起こったのか。

三重大学教育学部教授で、若者の「恋愛離れ」なども研究する南学氏は、「一般には男性のほうが、社会的閉塞感の影響をもろに受けやすいため」と指摘する。 南氏は、日本の若者の社会的閉塞感が「恋愛離れ」にどう影響しているか、それを男女別に調査・研究したことでも知られる。

きっかけは、11年頃話題になった、古市憲寿氏(東大大学院総合文化研究科博士課程)の著書『絶望の国の幸福な若者たち』(講談社)。 古市氏は同著で、内閣府の調査(10年)が明らかにした20代の若者の現状、すなわち「日本の将来に希望を持っていない」にもかかわらず「現状の生活満足度は高い」ことを例にあげ、その理由を「将来に希望が持てないからこそ、『いま、ここ』の幸せに関心を向け、満足している」との仮説で説明した。

そこで南氏は、大学生男女271人を「恋愛群」「恋愛希求群」「恋愛不要群」に3分類し、男女の違いや閉塞感や未来への展望などの関連性を見た。

すると、恋愛状況そのもの(恋人あり・なし)に大きな男女差はなかったが、予想以上に差が開いた項目があったという。

一つは、女子大生のほうが男子大生に比べ、概して将来への展望が明るく、「努力して人生を好転させよう」との人生観が強かったこと。もう一つは、恋愛イメージがネガティブで「恋愛は不要」とする男子大生においてのみ、「自己沈潜的人生観」、すなわち「他者と関わらず、自己ひとりの(趣味など)内面生活を充実させたい」とする考え方が、突出して多かったことだ。

南氏は、結果から改めて見えた「のびのび生きる女性」と「社会的閉塞感をもろに受けやすい男性」の差異について、「女性の逃げ道」という言葉を使って説明する。「これだけ男女平等が叫ばれる社会でも、就職して仕事の段階では、女性には『いざとなれば結婚』や留学、フリーランスといったカムフラージュや逃げ道がまだ用意されている。

でも男性は相変わらず「大企業」や「正社員」といったプレッシャーを受ける。その差が恋愛にも、少なからず表れている」。

またフリーターも、現実には女性のほうが多いのに、世間的には「四畳半でカップ麺をすすっている内向きな男性」のイメージと表現する20 代で同じようにニートでも、女性には「家事手伝いです」と対面を保つ表現がある。この違いは大きいという。

昨今は、 若い女性の間で「専業主婦願望」も再び高まり を見せている。厚生労働省の調査(13年)によると、15~39 歳の独身女性の3人に1人が「専業主婦になりたい」と回答。

語弊を恐れずに言えば、これもある種、若い女性たちの逃げの表れかもしれない。ただ、女性が逃げてばかりでラクをしているのか、と言えば違う。

和光大准教授の高坂氏は、「女性は男性に比べ、大学進学や就活の段階で、多くの選択肢から1つを『選ぶ』という難しい作業を強いられる」と指摘。だからこそ、青年期の女性は男性より精神的成長が早いとも言う。

自立や自我発達についても研究する高坂氏は、その研究から、人間のアイデンティティ(自我)確立には「選択と努力」が欠かせないと話す。

すなわち、何かのなかから自分自身で「これ」と1つに決め、その実現と達成に向けて力を尽くす作業だ。 表面上は「男女平等」に見える社会でも、 男性は相変わらず「就活・仕事はこうあるべき」といったステレオタイプの男性像を強いられる。これは大きなプレッシャーになる反面、選択肢は非常に限られているため、早い段階で「選択」に悩むことは少ない。

ところが 女性には、逃げ道も含めた幅広い選択肢がある。とくに昨今は、結婚・出産後も働く女性の推進に向けて、国や大学が「いつ結婚・出産、職場復帰するか」といったライフコース設計やキャリアマネジメント教育を強化。

進学や就活の段階で、すでにその後の結婚や出産を見据え、「専門学校でネイリストの資格をとれば、結婚後も自分のペースで働けるかも」や、「出産後も大阪の実家の近くに住みたいから、転勤がない企業に就職しよう」など、かなりロングスパンで計画を立てる10、20 代女性もいるほどだ。

ちなみに、たとえば、広島大学大学院・教授の岡本祐子氏のアイデンティティ研究などによれば、女性は進学や就活(就職)以外にも「結婚(で苗字が変わる)」「出産」「職場復帰」「閉経」など、その後もさまざまなシーンで自我の再構築を求められるが、男性は就活段階で、たまたまネガティブな選択(例:50社受けたが、たまたま受かった2社から1社を選んだ、など)をした場合、あとは「転職」や「リストラ」「定年」くらいしか「選択と努力」を無理強いされる場面がない。

閉塞感や自由度が低い代わりに、女性に比べて大人になるきっかけも少ない、というわけだ。   元来、男性のほうが精神的な成長が遅いうえ、最近はキスやセックスなど恋愛体験も、女性が男性より早期化。

さらに男性が社会的閉塞感の影響などを受けて「草食化」する一方で、女性は選択肢からロングスパンで未来計画を立てる。

こうなると、若い女性は昔以上に同年代の男性を「子どもっぽい」「頼りない」と感じやすいだろう。また、良し悪しは別として、最近はネットやSNSを介して年上男性とも繋がりやすいため、冒頭の年の差恋愛(結婚)願望が実現しやすい側面もある。

実は、20代女性も、驚くほど多くが高校・大学時代に、かなり年上の男性との交際経験を持っている。
10代のときに差恋愛で男性不信に……その1人の彼女は、京都の女子高に通っていた17 歳のとき、アルバイトで行ったイベント会場で、年上の男性に声をかけられた。 「ごめん、キミにひと目惚れしちゃった。」

彼は 29 歳、自分より 12 歳も年上だと分かると、「初めは警戒した」とアヤカ。 でも次の瞬間、脳内でバイト先の同年代(男性)と比較した。誰もが皆頼りなく、会話も長続きしない彼らに比べ、年上男性はソフトな物言いとくったくのない笑顔で、グイグイ心の奥まで入ってきた。

冗談のツボも合う。思わずメアドを教えた。 「とにかく話題が豊富で面白くて、業界のウラのことまでよく知ってる。会うたびに『わあ、そうなんだ』って新鮮で、急に大人になれた気がした」

アヤカは幸せの絶頂にあった 18 歳のとき、年上カレと事実上2人だけの「交換日記代わり」に使っていたミクシィをボーッと過去まで辿っていて、彼のナンパ癖に気づいた。

自分に声をかけてきたその前日、年上カレが女友達か彼女と思しき女性と横浜のホテルに泊まっていたことが判明。さらに辿っていくと、次々と新たな女性の影が浮かんできた。 実はその1か月前、アヤカは3度目のデートで、年上カレに体を許していたのだ。

成績優秀な奨学生、しかも地味で色白で可愛い彼女なのに、なぜもったいぶらなかったのか。 「別にイヤじゃなかったから。それに、早く経験しとかなきゃって焦りもあった。」

女子校時代の親友5人は皆、年上男性と高校時代に「エッチ」していた。「どうだった?」と盛り上がる輪の外で、自分はひとりきり。中学時代の彼氏は、手も握ってくれなかった。

「自分が女として魅力があるのか、確かめてみたかった」とも言う。 他方のマリエも18 歳のとき、交際2か月目で、年上カレと深い関係になった。あれほど真面目だと思っていた人だが行為中、無理なプレイばかりを要求されて驚いた。

「ひょっとして、かなりの遊び人?」 浮気を疑いたくはなかったが、ついついケータイメールをチェック。すると、「お前は運命の女だ」「誰にも渡さない」「一生守ってやる」といった熱烈なメールが、なんと 12 人もの女性に〝コピペ(コピー&ペースト)〟でほぼ同時送信されていた。

どれもまさに、マリエ本人が受け取ったものと同じ。女友達には『私、コピペ女だった~』ってふざけたけど、すごいショックだった。

当然だろう。その瞬間まで、彼女は年上カレを「真面目で自分に一途な人」と信じようと必死だったのだから。以来彼女は、今日まで男性不信に陥ったままだ。

もちろん、年上カレがすべて、こうした不届きな恋愛をするわけではない。20 代女性のほとんどが、「初体験」を年上男性と経験。一般の調査でも、 20 代の初体験のお相手は、女性の場合「年上(の彼)」が 44%と半数近い。

男性は「同い年(の彼女)」が 44%と圧倒的なのに対し、女性は年上カレとの初体験が多数派なのだ( 13 年/相模ゴム工業)。

また、今回の調査で「恋愛観が変わったきっかけは?」と聞くと、独身女性の4人に1人以上( 26%)が「別れ」と回答。「交際のブレーキになることは?」の質問にも「過去の(恋愛の)トラウマ」が、独身女性の5人に1人以上( 22%)にのぼった。

後者は、独身男性の2,5倍以上だった。アヤカやのように 10 代で年上カレに体を許し、結果的に「騙された。」

遊ばれた」と感じ、その後もトラウマになっていた女性が、ほかにも複数いた。一部には、「当時( 10 代の頃)は傷ついたけど、 20 代になって『あんなに年下の女の子を騙す男って、サイテー』と思って吹っ切れた」と、古傷を克服する声もあったが、数で言えば少ない。

日本性教育協会のデータで、いまや女性の4人に1人が、高校3年生までに初体験をすませる状況を見ても、昔以上に「若気の至り」で傷ついている20 代女性が多いことは、想像に難くないだろう。

ちなみに、脳科学者で武蔵野学院大学・国際コミュニケーション学部教授の澤口俊之氏によると、近年、アメリカの研究で「 女性に限っては、18 歳ごろまでに性行為をしてしまうと、高校中退や大学未進学の確率が約2倍に高まる」ことが分かった、とのこと。

一部が望まぬ妊娠をするせいもあるが、それだけではない。本来、家庭の形成を前提とすべきセックス自体の快楽に溺れ、正常な判断力を失ってしまうという。そんなかっての自分を悔いる声が、女性たちから続々と聞かれた。

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