年の差婚、グローバル婚、逆転婚、格差婚など常識外の結婚事情

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常識外の結婚市場

近年、常識外の結婚の代表、「年の差婚」のカップルが増えているのは、既述のとおり。 ある結婚相談所の調査では、5年間で「夫が11~15歳年上」のカップルが、13%から38%にまで増えた。

年の差婚

また、厚生労働省の調査(2013年)でも、「夫が7歳以上上」は 2005 年以降、ずっと初婚カップルの1割を超える。 とくに 2002 年、離婚件数が過去最高の29万組を記録すると、「三高」に近い、条件のいいバツイチ男性が、結婚市場に大量放出された。

最近では「初婚より、あえてバツイチを狙う」と豪語する女性も目立つ。ただ、若い女性が「年上男性は、同年代より収入がいいから」と、単に条件だけに魅力を感じているわけではない。

10 歳以上年上の男性との結婚を真剣に迷う女性のほとんどが、「将来、夫のオムツを替えられる」「だから大丈夫」とまで考えていたこと。年下といえども、女性はやはり現実的なのだ。

ちなみに、「夫年上」の年の差婚で、妻の多くが感じているメリットは、

1 穏やかで包容力があり、頼りになる

2 知識や経験に基づいて行動できる

3 安定した地位や収入がある ……など。

とくに、同年代男性に「頼りない」との思いを募らせている女性ほど、1、2が結婚の引き金になることも多い。

他方、昨今は「妻年上」の姉さん婚、も増えている。 先の厚生労働省の調査で、妻が年上の初婚夫婦は24%と4組に1組。これは「同い年婚(21%)」よりも多い。さらに「妻が4歳以上上」も7%にのぼるなど、着実に姉さん婚は実績を伸ばしている。

男性側の希望者も少なくない。ある調査でも、「妻が10歳以上年上」の結婚について「よい」とした20代男女が、それぞれ3人に1人(32~3%)( 14 年/明治安田生活福祉研究所)。

10 歳以上年の離れた年の差婚をどう思うか」と聞いた調査では20代女性(独身)で4割、同男性で3割が「アリ。実践してみたい」 と答えた。「なしだと思う」は、男性で2割弱、女性では1割弱しかいなかった。

妻年上のカップルで年下男性が感じるメリットは、先の「妻年下」のケースとほとんど変わらない。一方、年上妻のほうはといえば、よくあがるのは次の3点だ。

1 柔軟で、女性(年上)の自分を素直に認めてくれる

2 素直な癒し系で「下から目線」

3 まぶしい若さと輝きがあり自分も若返る

グローバル婚

いまから 50 年前、1965年の時点でも、グローバル婚は年間5000組弱、「230組に1組」しかいなかった。それが徐々に増え始め、89年には2万組、2005年には4万組を突破。翌 06 年には、過去最高の約4・5万組にまで達した。

これは初婚カップルの「約16組に1組」(厚生労働省)。こうなると常識外結婚というより、堂々のメジャー婚だ。 ただし、正確には近年、グローバル婚は右肩下がりの傾向にある。

婚姻カップル全体から見たその割合は、「約30組に1組」。 最大の減少要因とされるのは、 2005年の入管法改正だ。政府が治安上の観点から、在留資格取得の審査を厳格化した。これにより、日本人男性の対フィリピン人女性との婚姻が大幅に減少。

2006 年には年間1・2万組を超えていたのに、13年には3118組にまで落ち込んだのだ。 対する「妻日本人・夫外国人」のグローバル婚は、07年以降もほとんど減らない。

欧米人と結婚したタレントの後藤久美子(事実婚)や、プロテニスプレーヤーのクルム伊達公子はじめ、著名人の影響もあるだろう。あるいは、漫画家の小栗左多里氏が、自身とダーリンとの恋愛結婚をつづった漫画『ダーリンは外国人』(メディアファクトリー)のヒットも、グローバル婚を身近にしたきっかけになった。

一般に、グローバル婚と聞くと、「アジア人女性と日本人男性」や「欧米人男性と日本人女性」のカップルをイメージする人も多いだろう。

確かに、男性では対アジア人女性が圧倒的に多い。2005年の入管法改正後も、対中国、フィリピン、韓国・朝鮮、タイの合計が85%と、国際結婚の大多数を占める。 ところが女性の場合、アメリカ、ブラジル、イギリスの欧米3国との結婚は、合計で28%のみ。

トップは韓国(28%)で、米国に次ぐ3位が中国(12%)。実は 女性でも、対アジア人男性が優勢 なのだ(2013年/厚生労働省)。 その理由について、中大教授・山田氏は『週刊東洋経済』(2012 年6月 30 日号)等で、「成長するアジア諸国と停滞する日本」との言葉で説明した。

すなわち、韓国や中国のみならず、氏が調査した香港やシンガポールでも昨今、現地の男性と結婚する日本人女性が増えている。それは日本の女性が、ファッションセンスが洗練されていたり、男性を立てるのがうまい、などの理由からアジア人男性にモテるせいでもあるが、それだけではない。

アジア人と結婚した日本人女性は、軒並み「日本人の男性がおとなしくて物足りなかった」「アジア人は何でもストレートに意思表示してくれて、嬉しい」と話すという。

「ハッキリしない日本人男性にジレて、外国人男性に目を向けることも多い」と山田氏。 とくに経済の面でどんどん前に出ていこうとするアジア諸国の男性は、内向きで停滞ぎみの日本の若者に比べ、活気や勢いもあるという。

グローバル化する女性とガラパゴス化する男性、二極化が進んでいるのだろう。最近は海を渡らずとも、身近なところで外国人をよく見かける。大学の留学生や日本企業に入社する社員、さらには外国人観光客など。自宅でも、スカイプやフェイスブック等で気軽に出会える時代。

まさにボーダレス、敷居はどんどん低くなる一方だ。今回の調査でも、グローバル婚に対し、「アリ。自分でも実践してみたい」と答えた20代女性(独身)が 36%と3人に1人以上、男性の同回答を1割も上回った。

逆転婚、格差婚

男性より女性のほうが、目に見えて収入が多い「逆転婚」や「格差婚」は、日本ではまだ印象がよくない面もある。「女性が上で男性が下」とのイメージがあるからだろう。

それでも海外では、もはや当たり前。 アメリカでは、妻4割が夫より高収入の逆転婚だ。 アメリカの場合、2007年の時点ですでに、「妻が上」の伸びが顕著だった。

ある調査機関が、30~40代夫婦の収入を1970年と2007年で比較したところ、妻のほうが高年収の夫婦が、4%から22%に急増(2010 年/ピュー・リサーチ・センター)。さらに3年後の10年、同・労働統計局が妻が夫の収入を上回る世帯」をデータ化したところ、その割合はさらに多い38%、約4割に達していたという。

最近は アジア各国でも「逆転婚」のパターンが増えつつある。たとえば、韓国。同・統計庁の調査(15年)では、女性が主として一家を支える世帯が、約530万世帯。

全世帯(約2000万世帯)の4分の1を超えた。 また昨今は、夫が家事を担う「専業主夫」も増えている。台湾も同じ傾向だ。 先の統計庁の調査(2007年)によると、韓国内の「主夫」は、3年間で4割以上増え、15・1万人に到達。また、台湾・行政院の調査(2014年)でも、台湾国内の主夫男性は4年間で1・5倍に急増、14年現在で5万人に迫るという。

いずれも背景にあるのは、女性の高学歴化や社会進出と、男性の就職難。 日本も例外ではない。国勢調査(総務省)を経年で見ると、2000 年段階で専業主夫は、約1・6万人しかいなかった。それが 2005 年には2・1万人と1・3倍に増え、2010 年には約6万人に急増。

5年間で約3倍に増えた計算だ。それでも「専業主夫」だけを見れば、日本ではまだ5%にも達しない。

反面、女性の社会進出がさらに進む一方で、男性の就職難や賃金の伸び悩みが続けば、主夫を含む「逆転婚」が増えるのは確実だろう。

実は、30歳未満の勤労単身世帯では、すでに平均実収入が男女とも月額約25万円でほぼ同額。さらに同可処分所得では、女性(21 万8156円)が男性を約2600円上回っているほどなのだ(2009 年/総務省)。

いつまでも「男が一家の大黒柱たれ」といった旧来の概念にこだわっていれば、今後いま以上に結婚できなくなる。逆に、「別にどちらが上でもいい」と開き直った男女ほど、早く幸せを手にできるようだ。

一般にも、逆転婚で女性があげるメリットは、次のとおり。

1 相手が低年収や転職中でも「落ち着くまで」と待つ必要がなく、即結婚できる

2 夫のほうが時間に融通が利きやすく、家事・育児に積極的に関与してくれる

3 妻が家事をある程度怠けても、夫は不満を言いにくい

とくに「仕事は好きだけど料理は嫌い」「掃除は苦手」といった女性ほど、逆転婚に抵抗がないよう。20代女性のなかにも、「私は仕事が好きだから、できれば夫に『専業主夫』になってほしい」と話す女性が複数いた。また、逆転婚を「実践してみたい」と答えた独身女性は、19%と5人に1人。決して少なくない。

もっとも、独身男性ではさらに多い4人に1人(24%)で、数字だけ見ると、男性のほうが逆転婚に積極的にも見えるが、既述のとおり、彼らの本音は「そりゃ稼げるなら、僕ひとりで稼いで、奥さんには家で待っててほしいですよ」。

でもそれは、不可能に近い。ならば共働きで、妻が大黒柱でもいいじゃないか……、多くはそう自分に言い聞かせているようだ。だからこそ うまくいくコツは、給与明細を見ない「夫婦別ポケット」。 具体的な数字を見て「妻よりこんなに稼ぎが下か」と落ち込まないよう、ふだんから互いに配慮することが肝要だ。

既婚男女への調査でも、「(互いの収入を)別々の口座で管理している」夫婦が、43%(2014 年/マネーフォワード)。逆転婚の素地は、すでに固まっているとも言えよう。

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