バーチャル恋愛に自然とハマる20代の恋愛感の異様な実情

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SNSで恋愛感情を満たす若者。

今の20代の男女にとって、自由恋愛は生まれたときから当たり前であり特権のようなもの。 その解放感に比べるとSNSによる束縛の実感のほうが何倍も大きいはずだ。 いまや自慢 にさえならない恋愛は窮屈なだけ、決して楽しいものとは思えない若者が増え続けている。

若者を恋愛から遠ざけている、超情報化社会。 だがこれから先、インターネットをもっと 便利なツールとして自由に使いこなせる日が来れば頼もしい恋愛の助っ人になってくれる はずだ。

恋愛とは違う単なる趣味の世界ではないか?。 そう思ってハッとした。いまの若者にとって、恋愛は生きるために欠かせない必需品ではなく、あってもなくてもいい嗜好品、 SNSやネットゲームと同じ、単なる趣味の一つなんだろう。

年齢別にみた交際相手をもたない交際希望(未婚者)

年齢別にみた交際相手をもたない交際希望(未婚者)の調査結果。

参考:14回出生動向基本調査

デートもエッチ画像も、いつでもどこでものコンビニ感覚

インターネットやSNSなどのメディアの進化が深く結びついてる。超情報化社会がもたらした功罪・恋愛の趣味化。 膨大な情報開示による、ときめきとチラリズムの消失が原因と 言ってもいいのではないだろうか。

コミュニケーション・ディレクターの佐藤尚之氏による『明日のプランニング』(講談社 現代新書)に衝撃的な事実が掲載されている。

「2011年のたった1年間に流れた情報の量は、人類がそれまでに書いた 全書籍の情報量合計の1921万倍にあたる」

佐藤尚之(さとなお)コミュニケーション・ディレクター(株)ツナグ代表。(株)4th代表。復興庁復興推進参与。一般社団法人「助けあいジャパン」代表理事。

大阪芸術大学客員教授。東京大学大学院非常勤講師。朝日 広告賞審査員。やってみなはれ佐治敬三賞審査員。
さとなお.com(さなメモ)

現在は、デジタルネイティブ

90年代 前半、恋愛に変化の兆しを与えたツールは、ポケベルだろう。 男女が離れていても「アイシテル」など連絡をとり合えるようになり、恋人たちの距離は一挙に縮まった。

多くは子どもの頃から、自分専用のスマホ子機はもちろんのこと、ネット環境に囲まれて育った。

幼い頃から、電話やメールで、好きな異性にいつでも直接連絡を取れるのが当たり前の時代なのだ。反面、その利便性が思春期特有の、恋愛独自のワクワク感 を取り除いているのも確かだ。

 異性のヌードやセックスに興味が薄い

これはメディアの進化と無縁ではなく、思春期のころに、インターネットでセックスの行為 中の画像や動画を見て驚いたなど良い意味での好奇心が薄れている。

そのせいもあるだろうが、20代女性の3人に1人以上、男性でも5人に1人以上が「セックスにたいして関心がない」あるいは「嫌悪を感じる」と答える。

これらセックスに関することは、コンビニ感覚で楽しめるものへと変わっていき、こころ踊るチラリズムの感覚は失われた。

これまでに異性と性交渉をしたことがある割合。

参考:日本性教育協会

手軽に恋愛欲求が満たされる恋愛への幻想

途中で「ダメ!」と完全に遮断されれば、さらに続きが知りたくなるのが人間である。 しかし、 初めからすべてを見せられてしまったら、「こんなものか」と 興味を失うことになる

テレビCMで「続きは15秒後」と言っていったんコマーシャルに入る、 あるいは絵画で 言えば、不完全だからこそ神秘的。別名ミロのヴィーナス効果と言われるのも、そのせいだ。

何でもネットで情報を得られる社会に育った若者は、それですべてが分かった気になる既視感が強いのだ。

90年代以降、テレビの情報やインターネットの世界にて恋愛のリアルとは何か?が話題になりネット上の討論がされるようになると、若者の間には、恋愛なんてこの程度が現実なのか!との見方が広がってきた。

昨今では、ネットゲームやバーチャルアイドル、AKB48のような会いに行けるアイドルまで登場すると、手軽に恋愛欲求が満たされた気分になり、面倒と感じて疲れる現実の恋愛はしたくないとなってきている。

そうならば、人間の恋愛欲求は、空想上のバーチャル恋愛で満たされるのか?恋愛は生身 の男女がお互いの本音をぶつけ合い、互いにエネルギーを与え合うことで、成長と満足が 得られるものである。

半面、空想や妄想などバーチャルの世界はあくまでも一方的な趣味の領域、相手のエネルギーを吸収することはできない、ひとりよがりの壁打ちになる。

とはいえ、手軽に小腹を満たせればお腹が空いたとは感じにくくなるのも人間である証拠だ。

バーチャル恋愛は裏切らないが現実の恋愛は負担が多い

オタクをイメージする二次元恋愛に夢中な若者と普通は思うはずだ。事実、今でもその傾向 は継続しているだろう。

では現在、オタクは少数派なのか。  複数の調査でそうではないこと が分かった。

たとえば、 マイナビが卒業予定の大学生・大学院生に行った調査による と、自分 を『オタク』だと思うと答えた学生は、全体の4割だそうだ。

オタク分野のトップ3は「アニメ」「マンガ」「ゲーム」と予想した通りだったが、意外なのは「オタク」と答え割合にほとんど男女差がないこと。

一般の20代OLが 私、腐女子なんだー」、「私もー」などと笑い合うシーンも、珍しく ない。以前より明らかにライトなオタクが増えたのだ。

バーチャル恋愛が壁打ちならば、リアルの恋愛はテニスのラリーのような、お互いのエネルギーの与え合いだ。

与えた分のエネルギーの再生産はもちろん必要だが、そのエネルギー生産をうまく行なえない男女もいる。

たとえば、仕事で自信を持てる男性ならば、相対的なエネルギー量が増えはじめ、彼女に「そのネイル、可愛いいね」と褒めて喜ばせる余裕が生まれてくる。

言われた彼女も「ありがとう」 と笑顔で返し、「そうだ、今度の週末には彼の好きなレストランに連れて行こう!」とエネルギーの反復がおこなわれる。

これが繰り返さ れると、男女は「一緒にいて楽しい」「元気が湧いてくる」と感じやすくなってくる現実の恋愛だ。

恋愛に向かない男女は自信なし型と極的回避型

自信なし型は、自分には魅力がないと感じやすいために他者に傷付けられたくない恋愛しないでおこう、とするタイプ。 極的回避型は思考が内向きで恋愛エネルギーが少ないために、そのエネルギー消費を抑えて恋愛リスクを回避したいタイプ。

いずれも、どちらかといえばコミュニケーションが下手で内にこもりがちで、同性の友人もさほど多くない人たちだ。

しかし、意外 なのは社交的で趣味やバイトなど励んでいる楽観的で積極的な男女があまり 恋人を欲しがらなく恋愛を避けていることだ。

このタイプ男女は、恋人より、趣味や勉強が優先と思っていても、自然と相手が寄ってきやすい。

これまでもそつなく、何でも順調にこなしてきたため、恋愛なんていつでもできると、楽観 視しやすい。 バーチャルなど、ほかに楽しいことがあれ ばいまは要らないと考えやすい というのだ。

 セックスにたいしても同じ傾向がある

ただでさえ超情報化社会によって、異性の裸や恋愛に、どうせこんなもの、などの感情を抱きやすい。

そのうえ、スマホでいつでもどこでもアダルトサイトを楽しめるとなれば、異性とセックス をしたい、だから付き合いたいなどの感情が生まれにくい。当然ながら性欲が恋愛意欲に 直結する機会が減るだろう。

日本性教育協会の調査によると、一般の中学生が「デートの体験がある」と答えた男女は22~24%、 「キスの経験がある」と答えたのが13%前後である。これが現状なら、まだ周り から「進んでるいるね」と羨まれる範疇だ。

さらに、中学生(~15 歳)までにセックスの初体験を経験した男女は、 当然ながら少なく、男性で5%、女性はで7%に留まっ た。

ところが10代後半~20代ともなれば、変わってくる。 キスの経験は大学生男女で65%前後、セックスの経験も男女とも約5割。 この段階になると、恋愛はもはや「ネタ」ではなくなり、自慢にもなりにくい、完全に「趣味」の領域だ。

個性より強調

昭和の時代は、小学校にガキ大将がいたり、大学には荒々しいバンカラがいたりと、個性的 な学生が多かった。 だが、現在のゆとり教育で重視された「競争より仲良く」の発想は、どんなに嫌いな子とも歩調を合わせて仲良くすべきだとの考えである。

これが、生徒の好き嫌いや個性を封印し好き嫌いを言えない学生社会を作っている。表面上は同調して「仲良しプレイ」をしなければならない、との思いを増幅させてきた。

その反動で、最近は「LINEいじめ」などの一因をつくる一方で、表立って好き嫌いや、学校空間に自然に発生する生徒同士の序列、すなわち「スクールカースト」といった問題も起こっているという。

一方、「現状では、SNSの急速な普及で、毎日の私生活や友人関係、恋愛までもが衆人監視の状況におかれている。

恋愛はもはや完全に「趣味」の領域だ。 そもそも現20代は、正当派の自慢が嫌いだ。 とくにゆとり世代は、「ひな壇芸人」のゆるい笑いを見て育った世代。

だから彼らは、明石家 さんまやビートたけしのようなナンバーワン芸人の笑いより、身近で等身大、しかも各々 にどこかツッコミどころがある、ひな壇芸人のよう なノリツッコミの会話のやりとりを 楽しんでいる。

SNSも例外でない。 料理でも、バブル期に流行った高級ワインや正当派のフレンチグルメ は、たとえ「飲みました」「食べました」と呟いても、「ふうん、よかったね」「それで?」 で終わり場がシラける。

でも、B級グルメや「ガリガリ君のコーンポタージュ味」(赤城乳業)なら、「何それ?」「どんな味?」とツッコミどころ満載でコミュニティが盛り上がるのだ。

呟いた本人も「あの子、ウケる~」と、仲間内での評判が上がるのだと。

恋愛も同じ。仮に「誕生日なのに、彼氏に立ち喰いそばに連れて行かれた」と呟けば、「わ、 サイアク!」「別れるしかない!」と盛り上がれるが、単に「デートでオシャレな湾岸レストランに行きました」では、なんの自慢にもならず反感や失笑を買うだけだ。

デートや「恋愛 体質」は、もはや自慢や褒め言葉ではない。そもそも、いまや「恋人なし」 が多数派だから、交際を打ち明けにくい雰囲気もあるだろう。また、昨今では、 深い恋愛にハマりやすい男女 を「メンヘラ」と揶揄する向きもある。

ももとネット上のスラングで、2ちゃんねるのメンタルヘルス板にいるような、心を病んだ 男女、の意味。 狭義では「自傷行為やリストカットを繰り返す人」を指すが、ふざけ半分 に言う場合は、「異性に過剰な愛を注ぐ」「ダメンズにハマる」 といったケースにも使う。「あんた、また男にハマったの?」「やだ、メンヘラ!?」といった具合に。

まとめ

女性があこがれるシェイプ・パワー・機能性を兼ねたオールラウンドな魅力をもっている男性でも、「恋愛は要らないです。ほかに楽しいことがたくさんありますから」、と彼は言った。

楽しいこととは何だろう? 返ってくる答えは、ユーチューブを観る、友達とショッピング行って、SNSで呟くでしょ、アイドルのブログチェックや、ネトゲかな?

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