お試し婚も流行の兆し!同棲婚、お試し婚、事実婚の劇的な実例

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
同棲する若者。

若者が最も支持しているのは、「同棲婚(お試し婚)」。 独身の20代男性で4割弱(37%)、同女性では5割弱(49%)が「アリ。実践してみたい」と回答している。

「実践しないがアリ」も含めると、男女とも85%前後が肯定した。消費でも、失敗を嫌う20代男女は「まず試してみてから」 のトライアルを好む。通販の返品無料サービスや、お試しニュアンスのレンタル、シェアリング等が人気を呼ぶのも、ひとえに彼らが慎重だから。

「下手に試供させると、それで満足して買わなくなるのでは」との声もあるが、少なくとも消費の世界はその限りではない。

たとえば、カーシェアリング。「タイムズ24」が会員を対象にアンケートを実施したところ、10、20代ユーザーではカーシェアリング利用前に50%だったクルマの購入意欲が、利用後には86%まで上昇した。

試しにクルマを運転してみたことが、結果的に購買意欲につながったのではないかと予測できる。また、同サービスと組んでカーシェアリングサービスを展開するBMWでも、サービス開始後に若者の購買希望率が増えた、とのこと( 13 年 12 月 21 日放映『週刊ニュース深読み』NHK総合)。通常は購入に慎重になる高級外車でも、である。 結婚でも、少なからず似たようなことが言えるはずだ。

結婚前に同棲する若者はどれぐらいいるのか

これは調査によって、データに振れ幅がある。たとえば国の第三者機関の調査によると、未婚者(20~34 歳)の同棲経験割合は、男女いずれも7%にすぎない( 10 年/国立社会保障・人口問題研究所)。

ところが民間の調査に目を移すと、その割合が一気に跳ね上がる。住まいの情報サイト「アットホーム」の調査や、結婚式場の検索・見学予約サイト「すぐ婚ナビ」の調査では、結婚が決まるまでに同棲を経験した男女が、それぞれなんと41~44%。少し古いが、オーネットの調査でも20代(未既婚)女性の4割が、また第一生命経済研究所の調査でも30代既婚女性の23%が、それぞれ「同棲経験アリ」と答えている。

しかも、20代同棲経験者(女性)の約6割が、30代同棲既婚者の74%が、同棲相手と結婚 しているのだ。入籍せずに同棲から事実婚へと向かう20代女性の割合は、オランダ、フランスほかで約5割、スウェーデンでは約6割にのぼる(2005 年/内閣府)。さらに、事実婚等で誕生する子(いわゆる婚外子)の割合も、スウェーデンやフランスで5割強、デンマーク、イギリス等で4割強(2012 年/米国商務省)。

社会として同棲婚を肯定することは、明らかに少子化対策にも有効

では日本の若者は、何を目的に同棲するのか。その目的が多岐に渡っていた。たとえば、出版社勤務のK子(24 歳)。 寂しがり屋で「家事嫌い」を自認する彼女は、「これまで、短いながらも付き合った男性は皆、ご飯を作ってくれる人だった」と言う。

同棲の最大のメリットは、「健康になれること」。栄養バランスのよい手料理を、毎日安く食べられるのが大きい。また「最初はルームシェア感覚、生活費を浮かせてた」と、Y( 25 歳)。 某ITメーカーの子会社に勤務する彼は、正社員ながら年収300万円台。入社当初は寮に入れたが、途中から会社の方針で一部の寮が閉鎖に。しかたなくひとり暮らしを強いられた。

そこで節約もあって、社内の同期と同棲を始めたという。初めは、本当にルームシェア感覚。ある夜、残業で終電がなくなった彼が、彼女の家に泊めてもらった。その夜は寝るだけで何もなかったが、翌朝起きてみて思った。

「家賃 12 万円……ってことは2人で割れば、こんな好立地で6万円ですむんだ」 実は彼女も、ひとりでは家賃が高すぎると引越しを考えていた最中。「6万出すから、しばらくここにいてもいい?」との彼の提案に、勢いよく「うん」と首を縦に振った。

そこから男女の関係になるまで、4か月。1年弱経ったいまは結婚も視野に同棲を続行中だ。 Yのように、何気ない流れから同棲に至るケースは、意外に多い。

先の「すぐ婚ナビ」の調査でも、「いつの間にか同棲していた」(33%)が同棲理由のトップ。わずかだが「結婚を意識したから」(32%)を上回った。

一方、某雑誌で私の編集を担当する、U子( 33 歳)も、結婚までの半年間、お試し感覚で同棲することで、「彼(いまの夫)の家事力をチェックした」と言う。出会いの1年ほど前まで、彼女は「婚活」の取材で、ある結婚相談所に登録していた。若く高学歴で美人、と三拍子揃った彼女は、週末ごとにお見合い(デート)を繰り返したが、やがて「私の相手は、バリバリ働く男性じゃムリ」だと気づいたという。

なぜなら、彼女自身が結婚、出産しても仕事を続けたかったから。結局選んだのは、同年代のフリーライターの男性。才能豊かで、すでに一定の世間的な評価も得ていたが、収入は安定しない。ただ逆に言えば、時間に融通が利くから、U子が忙しいときも家事や育児をフォローしてくれるはず。あとは冷蔵庫の余り物で、ササッと料理が作れるかどうかだな。と同棲中、彼は見事にその暗黙の了解をクリアしたという。

同棲の落し穴と求められる法整備

他方、同棲が別れにつながる場合もある。エンジニアのA子( 28 歳)もその1人。「一緒に暮らしてみて、彼が『社畜(会社の言いなりで家畜のように働く人)』だって分かった」と苦笑する。

それでも、1年間の同棲で、「自分がどんな男性を求めているか、分かった気がする」とのこと。 高校時代、シングルマザーの母が「紹介するね」と恋人(中年男性)を連れてきた日から、恋愛嫌いになった彼女。いまでも「恋人」というラベリングは必要ないが、一度男性と暮らして、「人生を共にするパートナーはいてもいい」と思えるようになったという。

同棲婚(お試し婚)を支持する若者があげるメリットは、おもに次のとおり。

  1. 結婚ほど身構えず、お試し感覚で異性と共同生活できる
  2. 割り勘が前提なら、ルームシェア感覚で家賃や生活費を抑えられる
  3. 同棲生活を通じて相手に「情」が生まれたり、自分に自信が持てる

同棲相手と結婚した男女の約4割が「(同棲が)結婚後への自信につながった」と回答、続く第2位は「親愛の気持ちが生まれた」(約3割)だった。もっとも、現行の日本の制度を考えると、女性に、必ずしも同棲婚を薦められない。

もし同棲中に子どもができたとき、相手男性に「知らない」とそっぽを向かれる、という最悪のケースでは、女性ひとりに負担がいく可能性もあるからだ。もちろん、いまはDNA鑑定でほぼ100%、正確に父親を特定することができる。婚姻関係になくとも、家庭裁判所に調停を申し立て、DNA鑑定で相手男性と「親子」だと分かれば、認知手続きをすることも可能なはず。

ただし、この制度には落とし穴がある。男性がDNA鑑定に応じない場合は、強制的に血液等を提出させることができないのだ。だからこそ、日本政府には早く、スウェーデンやフランスのように、同棲や事実婚を後押しする制度の成立を求めたい。

88 年、スウェーデンでは「サムボ法」が施行された。これは結婚しなくても、一定期間同棲を続ける男女に、婚姻している夫婦と同等の権利や保護を与える法律。法の施行以降、結婚せずにカップルが別れても、住居や家財は平等に分け、父親には養育費を支払う義務が生じた。女性が泣き寝入りする危険が最小限に軽減されたのだ。

フランスも99年、「PACS(パックス)」を制定。もともとは、「エイズで長年連れ添った同性愛のパートナーを亡くし、まったく相続権がなかった人たち(おもに男性)を保護するための法律」と見られていた。対象を、異性同士に限っていなかったからだ。

ところがその後、異性愛のカップルにも、「制約が少なくて解消が結婚より簡単」だと、パックスを選ぶケースが急増。税金等の優遇措置が受けられるうえ、片方の意思だけで契約解消できる手軽さがウケたのだろう。

2005 年の改正後は、さらに結婚までの移行措置として「パックスがあるから、お試し感覚で同棲を」と考える男女も増えた。結局、そこから入籍せず「事実婚」に至るケースもあるが、それでも出生率は制定前の1.78が、12 年には2.01へと大幅に伸びた。

保育制度やワークライフバランスの充実と両輪ではあるが、パックスが少子化対策に貢献したのは明らかだ。

日本には、入籍や「家(家族)」を前提とする戸籍制度が根強い。事実婚という法によらない家族制度は推奨したくない、あるいは「結婚前の男女が一緒に住むなんて」とつい顔をしかめてしまう上世代が、いまだ多く存在することも知っている。

それでもあえて、いまこうした新たな法整備を進めてほしい、と強く感じる理由。それは、すでに勇み足で、次のような「禁じ手」に踏み出す男女も出始めたからだ。

夫は要らない。子どもだけが欲しいの女性の心理

産むだけ婚 「この子だけでいいかも」……。

せり出してくる自分のお腹を見て、大学3年生のF子(当時 21 歳・現 28 歳)は思った。追い討ちをかけるように、母親も言った。 「跡取りができたんだし、彼はいなくてもいいね」 結論から言おう。その後の出産から6年、いまも彼女は、わが子の父親と籍を入れていない。

実家の離れには、彼も含めた家族3人で住むが、彼女の両親や親戚一同は、「娘と孫さえいれば、婿は要らない」と思っているから。

まさに「産むだけ婚」、 夫は精子提供者、といった位置づけだ。彼は兄と2人兄弟。実家は地元でも有名な老舗の和菓子店だ。8つ上の兄は留学後、現地で事業をスタート。「店を継ぐのは彼」が、暗黙の了解だった。

幸い、彼女には商才があった。高校時代に、のちのヒット商品となる和洋菓子を考案。大学の学園祭でも、出店の和カフェを大成功させ表彰された。親の期待が高まるなか、大学3年の春に「いいよ、私が継ぐ」と返事した。

妊娠が分かったのは、その直後だ。相手は1つ上のサークルの先輩。中堅メーカーに就職が内定し、彼女が妊娠を告げると「僕が養ってあげるから、結婚しよう」と言われた。

だが彼女は、思わず口にした。「その程度の会社で、(お給料)大丈夫なの?」 二の句が継げずにいる彼に、助け舟のつもりで「私、和菓子屋継ぐんだ」と言うと、予想外に彼はのってきた。「だったら僕も、就職しないで店をやるよ」。 ところが、結果は予想どおり。おとなしいながらも頑固な彼は、彼の親と馬が合わなかった。

「試しに」とバイト感覚で店に入っても、接客さえ満足にできない。おまけに、彼女が妊娠8か月で破水したときも、ただ取り乱すばかり。「使えない」「役に立たない」……、そんな印象を与えてしまった。

彼も妊娠時点で、恋愛感情はほとんどなかった。2~3か月おきにセックスしていたのも、半ば義務。妊娠したときも、「あれぐらいでデキるの?」と驚いたという。 今年6歳になる息子は当然、誰よりも可愛い。親や祖父母も猫っ可愛がりし、大事な跡取りだと甘やかし放題。でも、夫には居場所がない。

店でもミスが多く、いまは「名ばかり社員」。朝家を出て、夜までどこかをブラブラして帰る毎日だ。彼も「可哀想」「籍も入れてないし、そろそろ解放してあげても」と、何度か思ったそうだ。ただ、私が「そうすれば?」と返すと、驚きの台詞を口にした。「そうですね。彼は結局、精子バンクみたいな存在だったんで」

彼の場合、実家が老舗という特殊な例ではあるだろう。とはいえ、「夫は要らないから、子どもだけ欲しい」 という言葉は、冗談半分も含めて、本当によく耳にする。

N子( 38 歳)も、その1人。妊娠当時、相手男性は9歳年下のフリーターだった。ジャニーズ系のイケメンながら、「デザイナーになる」と豪語するだけで生活力がまったくない。

N子が「(子どもが)できちゃった」と告げた直後も、「すげー!」と喜んだ割に、働く気配はゼロ。「この人、父親にはムリ」。カナは決意した。東京での生活を捨て、彼のことも見切って、新潟の実家で出産することにしたのだ。

当初は、親に怒られるとばかり思っていた彼女。だが、いざ帰ると「よく帰った)」と村をあげての歓迎ムード。出産後、地元の保育園で働き始めてからも、親戚やご近所さんが代わる代わる、赤ちゃんの面倒をみてくれた。

いまは娘も、小学1年生。元カレにはときどきメールするが、スマホで娘の写真を送るぐらい。震災後、一度だけ「大丈夫だった?」と彼から電話があったが、娘を会わせることはしない。

彼もそれを望まないし、娘が混乱すると思うからだ。彼女も言う。「いま思えば、いいタイミングで精子をもらえたかな」。そして、こうも付け加えた。「でもどうせなら、精子バンクで優秀な遺伝子探せばよかったですけど(笑)」。

彼女たちが言う精子バンク。欧米では、未婚女性の利用がすでに合法化されている国もあり、医療機関だけでなく精子提供者個人も国に登録義務があるなど、一定の法整備が始まっている。ただ、あまりに人気が高く、深刻な問題も起きているようだ。

たとえばアメリカ。男性が精子バンクに精子を売る回数が制限されていないため、ある都市では、なんと150人の異母兄弟が産まれるという事態が起きた。生まれた本人たちが知らず知らずに近親相姦になる問題も指摘され、その後の先天性障害も危ぶまれる、とのこと(2013 年9月 13 日付/日本経済新聞)。

またフランスでは、アメリカで有名な精子バンク「カリフォルニア・クライオバンク(CCB)」に人気が集中。「髪の毛の色」や「目の色」「身長」など、好みのタイプをクリックしては、ネットショッピングの感覚で精子を買う女性が目立つそうだ。雑誌『クーリエ・ジャポン』(講談社/ 13 年4月号)では、この様子を「米国の生殖ビジネスの規制は中古車販売よりもゆるい」と表現する。

日本にも水面下で広がる、違法精子売買

そして日本でも、精子買いは、もはや「他人事」ではなくなった。その実態を放映したのが、 2014年2月27日放映の『クローズアップ現代』(NHK総合)。日本でもネット上で精子の提供を持ちかける個人サイトが、すでに40余り(当時)。もちろん違法だ。

サイトはすべて匿名で、身元も不明。倫理上の課題や感染リスクもあるのに、それでも希望する女性が少なくないという。番組では、精子提供者とそれを受け取る側の女性11人に会い、メールなども入れて22人に接触した、とのこと。未婚女性も少なからず含まれていたという。

最も衝撃だったのは、精子を欲する未婚女性たちのナマの声と、その行動だ。 ある女性は、仕事優先で30代の婚期を逸してしまった。結婚は必要ないが、子どもだけは欲しい。でも海外の精子バンクは、数百万円の費用がかかるうえ、手術で仕事を長期間休まなければならない。そこでたどり着いたのが、国内の個人サイト。匿名で怪しいと思いつつも、「私にはここしかないと駆け込んだ。

取材当時、彼女は妊娠9週目に達していたという。もう1人の女性は、さらに驚きだ。ネットで知り合った見知らぬ男性(自称30代会社員)と、地下鉄出口で待ち合わせ。そこで「プラ容器」を渡し、公衆トイレで精子(精液)を採取してもらって受け取る。そして自宅に戻り、なんと自分の手で、針のない注射器で卵巣に入れるというのだ。

番組では、日本生殖医学会理事長の吉村泰典氏が、エイズも含めた感染症の問題を指摘した。また、日本産科婦人科学会の倫理委員長・苛原稔氏は、「生まれてきた子どもが幸せになっていくかどうか。必ず倫理的に大きな問題が発生する」と警鐘を鳴らした。

これもまた、極端な例ではあるだろう。 ただ、こうした問題の背景にあるのは、一部の女性たちが、恋愛どころか「結婚(相手)」までも「要らない」と感じ始めている事実。 そこで「一生、私はひとりで生きる」と思えるなら問題ないが、いまは、結婚しないと決めても、子ども(出産)」だけは、精子があれば(違法ではあれど)手に入る。だからこそ、最後まで諦めきれないのだろう。

定量調査でも、「男性に子作りだけ協力してもらう、または精子バンクを利用する『産むだけ婚』」に対し、「アリ。実践してみたい」と答えた独身女性は5%。さすがに少数派ではあるがゼロでもない。

さらに「自分では実践しないが、アリだと思う」まで入れると、肯定派の女性は5割を超えた。 それを「あり得ない」と見る向きもあろう。そこまでして子どもにだけこだわるのは半ば、女性のエゴだとも思う。

だが、政治や行政を司る方々には、もう一歩踏み込んで考えてみてほしい。なぜ彼女たちが、そこまで子どもに執着するか、あるいはそこまで追い込まれてしまうのかを……。

頭では「恋愛結婚」への幻想を抱きながらも、現実には多忙な仕事に追われたり、安定した職業や収入がないために、「自分に恋愛は無理」「どうせ結婚相手も見つからない」と、投げてしまう若者が多いこと。

あるいは、条件オンリーなら結婚相手として選ばれそうなのに、コミュ力が足りないゆえに、「異性とは付き合えない」「きっと誰にも選ばれない」と、諦めてしまう若者が多いこと。

でも一方で、彼らはものすごく不安なのだ。一生ひとりでいれば、昨今よく言われる「孤独死」のリスクもある。誰も老後をみてくれない。だから、恋愛や結婚は見切っても、子どもにだけは固執する。

いまは「最後の砦」と考えている彼らの親も、いつかは自分より先にこの世を旅立ってしまうから。だからこそ、どんな形でも自分の味方になってくれる、子どもが欲しいのだろう。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket

SNSでもご購読できます。