「不貞行為」とは、どういう行為でしょうか?

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「不貞行為」とは、民法第770条第1項第1号に定められている離婚原因(法定離婚原因)の一つをさす法律用語である。

原則として法定離婚原因のどれか一つでも立証されれば、裁判で離婚を命ずる判決が下りることになる。すなわち裁判で不貞行為の存在が立証されれば離婚判決が下りるのである。

不貞を理由とする離婚判決では、必ずと言っていいほど、慰謝料の支払いが命じられる。また、離婚せずに不貞の慰謝料だけを請求することもできる。

従って、不貞行為の意味を正確に知っておけば、裁判で何を立証されれば離婚が認められ、また慰謝料をとられてしまうかがわかるので、それについて対策を立てることができる。

「自由意思」の性行為

一般に不貞行為とは、セックスそのものよりも広く、一夫一婦制の貞操義務に忠実でない一切の行為を含むとされている。ただし、裁判では限定的に「配偶者のある者が、自由意思で配偶者以外の異性と肉体関係を結ぶこと」と解されている。

この定義によると、同性愛の関係は不貞行為とはならない。もちろん同性愛は、法定離婚原因である「婚姻を継続し難い重大な事由」(民法第770条第1項第5号)になるので、離婚は認められるだろう。

なお、児童福祉法や各自治体の制定している青少年保護育成条例で禁じられている18歳未満の者との淫行には、異性愛だけでなく、同性愛、またセックス以外の性交類似行為(手淫など)も含まれる。

不貞行為にはならない場合でも、少年少女を性的対象にするのは自重してもらいたい。  また、妻がレイプされた場合も、妻の自由意思ではないから不貞行為にはならない。

逆に夫が妻以外の女性をレイプした場合は、不貞行為になるので、離婚請求は認められる。夫が強姦犯で、これを不貞行為として片付けるのもなにやら釈然としないのだが、実際にこういう最高裁判例があるのだから仕方がない。

ちなみにクリントン前大統領が告白した執務室における「不適切な関係」については、テレビ演説後しばらくの間、弁護士たちに、「オーラル・セックスは不貞行為にならないのか」と、法律用語の解釈についての興味深い話題を提供した。

もっとも、フェラチオの存在が裁判で立証されれば、よほどのことがない限り挿入行為の存在も推定される。

真実がどのようなものであったとしても、判決となれば、不貞行為が存在したと認定されるのではないか。

〝継続的・反復的〟な不貞行為  裁判では通常、1回かぎりの不貞行為の存在を立証しただけでは、不貞行為を理由とする離婚は認められない。継続的・反復的な不貞行為の存在を立証しなければならないとされている。

というのも、不貞行為が立証されても、裁判所は「一切の事情を考慮して婚姻の継続を相当と認める」時は、離婚請求を棄却できる(民法第770条第2項)ので、1回くらいの不貞行為では、これによって夫婦関係が完全に破綻したとは立証できないからである。

従って、肉体関係があったことをうかがわせるラブホテルに2人で入る際の写真、無断外泊の証拠、愛人へのプレゼントの領収書、ラブレター。このあたりを可能な限りたくさん集めて継続的な不貞行為の存在を立証しなければ、不貞行為を理由とする離婚は裁判所では認められないだろう。

もちろん、不貞行為が1回しか立証できなくても、その他の事情によって夫婦関係の修復の見込みがないことが明らかであれば、「婚姻を継続し難い重大な事由」が認定されて、離婚判決が下りる可能性は充分にある。

しかし夫婦が破綻する際には、それぞれに問題点があるのが普通である。「婚姻を継続し難い重大な事由」による離婚の場合、不貞行為のように責任の所在が一義的に明確にならないことが多いため慰謝料の額も低くなる傾向がある。

プラトニック・ラブ

肉体関係のない場合、「純愛の不倫」として不倫に含めることはできるかもしれないが、法律上の不貞行為にはならない。アクシデントでつい、うっかりキスをしてしまったというくらいの関係も同様である。

男性が慢性的に勃起不能であることを医師の診断書を提出して証明すれば、ホテルに入ったシーンの写真を撮られていても、肉体関係がなかったことを立証できるので、不貞行為の存在は否定できるだろう。

ただし、異性と常習的にキスしていたり、挿入を伴わない性的な行為を目的にホテルに通っていたりするならば、「婚姻を継続し難い重大な事由」があるとして裁判で離婚が認められるだろうし、不貞行為による離婚の慰謝料に近い額が命じられるのではないか。

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